Locker Room Talk
男女平等に関するトレーニングをVRでスポーツコーチに実施
若いプレイヤーが女性や少女を尊重するようにするための教育は、若年齢から始まります。スウェーデンのある組織は、少年たちのロッカールームが女性差別的な態度の温床とならないようにする方法について、スポーツコーチを対象にVRを使ったトレーニングを実施しています。
課題
LRTは、ターゲットオーディエンスである10~14歳の少年にリーチするために、コースに登録した学校やスポーツクラブにトレーナーを派遣しています。オンサイトトレーニングはLRTのビジネスモデルの重要な部分ですが、以下のような課題も抱えています。
身体トレーニングには時間がかかる トレーナーを毎週のようにチームに派遣することは、LRTのリソース不足につながりかねません。一方、チーム側は、通常のトレーニングと並行してLRTのセッションに時間を割り当てるのが難しいことがあります。
トレーニングを完遂できない場合がある 教育ビデオやロールプレイが十分に魅力的でない場合、途中で止めてしまう少年もいます。また、コーチも、他のトレーナーが始めた活動を継続するためにさらに多くのツールが必要だと感じることがあります。
コーチは技術的なノウハウは持っているものの、多くの場合、少年たちに互いにどう振る舞うかや女性や少女についてどう話すかを教えるための適切なツールやトレーニングが不足しています。LRTの課題は、コーチ自身にトレーニングを実施して、そこで得られた知識をチームに伝えられるようにするための方法を考え出すことでした。
Locker Room Talkについて
スウェーデンの非営利団体であるLocker Room Talk (LRT)は、スポーツと一般的な社会における男性優越主義に立ち向かうべく、2016年にShanga Aziz氏とRogerio Silva氏によって創設されました。
両氏が目指したのは、若いプレイヤーに尊敬心、男女平等、感情的知性を教えるためのロッカールームのような場所を作ることでした。
業種
教育
VRを選んだ理由
LRTがMetaを選んだ4つの理由:
1.手軽で簡単
いつでもどこでも都合の良いときに学べます。コーチはMetaの「はじめてのQuest」アプリを使って設定やコントロールに慣れることができます。2.交流を促進
コーチはVRという画期的な方法で若いプレイヤーと交流し、考え方を変えるよう支援できます。LRTのオペレーションマネージャを務めるJulia Frännek氏は次のように述べています。「コーチが物事を別の視点から捉えられるようにすることができます」3.没入感の高い体験
VRは、動画の再生ボタンを押すことよりも現実にもっと近づける手段です。アバターの感情表現は、時間をかけて感情的知性を育んでいくのに役立ちます。4.持ち運びが簡単
Shanga氏は、ヘッドセットをバックパックに詰め込むことも、梱包して世界中に送ることもできます。苦労して重たい機器を持ち運ぶ必要はありません。Shanga Aziz,
Co-Founder,
Locker Room Talk
“
このVR環境に飛び込んだコーチは、プログラムの継続と一時停止のオプションを選択できるため、自分にとって都合の良い時に都合の良い場所で学習を進めることができます。
ソリューション
LRTは、ユースリーグのコーチ向けに特化した感情的知性のトレーニングコースであるコーチジャーニーを開発しました。理論とバーチャルからなるこのコースは、開発者、教育パートナー、法律の専門家、エクステンデッドリアリティのアドバイザーによる支援のもと、スウェーデンステートファンドの資金援助を受けて開発されました。
コーチがヘッドセットを装着すると、架空のチーム「LRT FC」に迎えられます。12歳前後のアバターのプレイヤーで構成されるこのチームは、問題を抱えています。コースの受講者は、男女平等や感情的知性などのテーマに関連した一連の課題をクリアしながら、チームを軌道に乗せ、クラブの評判を回復させなければなりません。
成果
8つのバーチャルロッカールームには、コーチが現実世界で若いプレイヤーとの間で体験する可能性のあるさまざまなシナリオが用意されています。例えば、子ども同士がけんかしたり、人を傷つけるような話し方をしたりします。状況が行き詰まり、次に何をすべきかに関するコーチの決定が試合結果を左右します。
また、コーチが質問に答える練習をするためのバーチャルプレスルームが2つ用意されています。このルームは、保護者、ジャーナリスト、スポーツ指導者が共有した経験に基づいてデザインされています。
受講者は、チームの絆を示すメーターでフィードバックを受け、プログラム開始時のベースラインの質問と終了時の評価の結果を比較することで、感情的知性の開発について、進捗をトラッキングできます。
結果
LRTのVRトレーニングコースの受講者が毎年増加
2022年5月に同団体を訪問したスウェーデンのカール16世グスタフ国王がコーチジャーニーのコースを体験されたことは、とりわけ誇らしい出来事でした。
40人
プログラムを修了したコーチの数
60人
新たにプログラムを開始したコーチの数
11,000人
プログラムがリーチしたプレイヤーの数